共用育児休暇による女性の働く環境改善

vinedrop

イギリスでは、今年4月5日以降に出産もしくは養子縁組した母親や養親のために、共用育児休暇という制度ができました。52週間、つまり1年の産休または養子縁組休暇のうち、50週間(産後2週間は母親が休暇を取ることが義務)をパートナーと自由にシェアすることができ、例えばカップルが同時に休暇を取ったり、数週間置きに交互に取ったりできます。また手当も、支給される39週間のうち37週間(始めの6週間は給与の90%、その後は90%か週£139.58のいずれか低い方)をシェアできます。

この制度により、女性がより働きやすい環境になることが期待されています。男性でも長期休暇に入る可能性が十分あるわけですので、採用担当者は女性を見て「産休に入られると困るな」と考えることが困難になります(以前もこれは違法ですが、様々な理由をつけて不採用とする可能性は排除できませんでした)。また、男性も長期の育児休暇を取り始めれば、女性が今まで直面してきた様々なキャリア上の問題が、男性の問題ともなってきます。

もちろん、制度ができても利用されるかは未だわかりません。共用育児休暇の前段階の制度で、2011年に導入された追加父親休暇(産休後半の最高26週間をパートナーが取得できる)は、導入2年目に対象パートナーの1.4%にしか取得されなかったといいます。手当金額は高くはないこととパートナーの給与の方が高い可能性も多いため、金銭的事情により取得しない世帯もあるかもしれませんし、北欧諸国と違ってパートナーが取得しなければ消失する期間もありませんので、イギリスでは、パートナーが休暇を取得するインセンティブがさらに必要だという声も大きいようです。

前出の養子縁組休暇は日本では聞き慣れない制度かもしれませんが、イギリスでは、例えば同性カップル、お子さんを持てない方に不利にならないよう、養子縁組休暇も産休とほぼ同じ権利が認められています。

弊社の人事年間サービスをご利用の顧客組織では、手続きなどを含む共用育児休暇ポリシーを社員ハンドブックに追加しました。未だ追加が完了していない組織は、是非ご連絡ください。

< リストに戻る