バスルーム革命

mondaypier
日本のトイレとお風呂は、やはりすごいです。

ロンドンで、ここ何年も冬の間の冷たい便座を我慢したので、もう無理!と思い、日本で便座カバーを買いました。便座は暖かいことが当たり前の日本では、もう販売されていないかと思いましたが、ありました。この温水洗浄便座(ウォシュレットはTOTOの商標)、もとは米国の商品だったようです。1980年に日本国内で販売され、内閣府統計によると、平成24年度(2012−13年)の一般世帯普及率は74%です。イギリスの家庭では通常、浴槽、シャワー、トイレは同じ部屋(バスルーム)にあります。従って、シャワーを浴びると、トイレを含め、置いているものがすべて蒸気で濡れます。感電の恐れから室内に通常のコンセントがなく、紐を引っ張って電気と換気扇をつけるものが多く、イギリスでの温水洗浄便座の販売には、コンセントの問題に加えて、硬水で詰まる恐れがある、などの障害があることを耳にしていました。

しかし、1874年創業のスイスのゲブリット社(http://www.geberit.co.uk/en_uk/index.html)が、4・5年前に、AquaCleanという温水洗浄便座に関して、イギリスの全国紙やテレビで盛んに宣伝していたのを見て、これらの問題が解決されたのかと気になりました。また、Geberit社は、建築士や配管工に大規模なトレーニングを提供して、川上から川下まで商品情報を行き渡らせているようです。Geberit社のトイレは、欧州各国の空港などで見かけます。今のところそれらは温水洗浄便座ではないようですが、入れ替える時に強いはずです。

乾燥機付きのバスルームもイギリスで売れると思います。イギリスは寒いうえに雨が多いので、洗濯物の乾燥が大変だからです。ドラム式乾燥機はノイズや洋服の傷みが気になります。バスルームに干せれば、省スペースにもなります。

TOTOは、2010年にロンドンにショールームを開いています。日本企業の得意なエコ訴求に加えて、日本で初期に放映されたTOTOの「おしりだって洗ってほしい」のようなインパクトある宣伝をイギリスでも大規模に展開すれば、温水洗浄便座や日本のハイテク「お風呂」がイギリスの一般家庭にも普及するブレークスルーとなるかもしれません。

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